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2005/7/31
《さらいとんび》について、星野さんから新しいご意見をいただきましたー!
どんな内容かといいますと・・「多賀神社の奇談を画に盛り込んでいる」のではないか?という説です!
おぉぉ、だんだんスケールが大きくなってきた。
では、以下は星野さんのお便りをもとに、私がまとめたものを掲載いたします。
まず、金魚以外に描かれているモチーフ、「オタマジャクシ」について。オタマジャクシの由来は、
イザナギ・イザナミを祭る滋賀県犬上町の多賀大社で売られている御多賀杓子(おたがしゃくし)だと
いうことです。それ以前は「かえるのこ」、と呼ばれていたそうです。
続いて、オタマジャクシの由来となった、その多賀大社について。『日本霊異記』には、
イザナギノミコトを祭っているはずの多賀神社の神が、白いサルであったことを物語る説話が
収められているということでした(註1)。
その内容は、以下のようなものだそうです。
「修行の人を妨ぐるによりて、猴(さる)の身を得る縁(えに) 第二十四」
大安寺の恵勝が、近江の陀我大神(たがおおかみ)の堂で修行していると、
夢に見た白いサルが現れ、「前世で僧の従者を制限した罪で猿に転生し、この社の神になった」と言う。
猿の身を免れるために読経してほしいと寺に助けを求めるが、寺側が信じないので、
猿は大堂を倒してしまう。これで、ようやく信じた寺のものが猿の大神の願いを叶え、読経をする・・・(註2)
そしてさらに、『日本霊異記』では、多賀大社のある場所が「三上山」となっており
(本当は犬上にあるはずが、『日本霊異記』ではそう記されているそうです。
星野さんが参考になさった本の注釈には、何故間違っているのかはっきりしない、と書かれていたそうです。)、
その三上山の西には「膳所」という地名があると指摘されています。
そして、「膳所」とは、「飯どころ」という意味ではないかとのことでした。
以上の「オタマジャクシ」「サル」「膳所」というキーワードから、
「《さらいとんび》は多賀神社の奇談を画に盛り込んでいる、という事ではないでしょうか。
国芳は、妖怪画も描いているようですし、怪談奇談に通じていたとしても不思議ではないように思います。」とのご意見でした。
おぉぉぉ。私ななみは、日本美術をやっているくせに、日本史が苦手であります;
なので、こういう方面からご意見をいただけると、とてもありがたいです。
しかもものすごい調べていらっしゃるー!
離れた時代の絵を見るのって、その当時の共通認識を知らなきゃ楽しめない部分もあって、難しいですよね。
特に浮世絵なんかは、タイムリーで庶民的な話題を題材にすることもあるので、
「今の時代にはすっかり影をひそめてしまったけど、当時はみんな知ってて当然」みたいな題材もあって、
もとネタを探すのは特に大変なんじゃないかと思います。
多賀大社の件も、もしかしたら「江戸の人にとっては結構有名」だったのかもしれません。
そういったことを考慮しながら、私も調べていってみたいと思います。
ご意見、大変ありがとうございました!(^o^)
更新が遅くなってしまったことをお詫びいたします。
(註1)家永三郎 『日本文化史 第二版』 岩波書店 1982年3月
(註2)小泉道 校注 『新潮日本古典集成 日本霊異記』 1984年12月
参考
おたまじゃくしの語源(やまとことばワンポイントレッスン)
http://members.jcom.home.ne.jp/tobermory/yam005.htm
多賀大社 ホームページ
http://www.tagataisya.or.jp/
《金魚づくし さらいとんび》の謎を解明!(しようとしているページ・・・)
みなさんのご意見をお待ちしております。
下に行くほどあたらしい記事です。
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