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vol.2 |
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ひとかたまって |
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はい今回は、ちょっと気持ち悪いこの人たちの登場ですよ。 |
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ぱっと見たところ、なにやらグロい感じのする絵ですが・・・よく見ると小さい人がぎゅうぎゅうと集まってます。
そう、人が集まって人の顔を作ってるんです。
描いたのは、蜻蛉屋ではもうおなじみ歌川国芳(うたがわくによし 1797-1861)。
これらの絵は「寄せ絵」と呼ばれています。ではでは、四枚続けてご紹介しましょう。
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≪人をばかにした人だ≫
弘化四年-嘉永五年(1847-1852)
大判、版元 大和屋久兵衛 |
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≪人かたまって人になる≫
弘化四年-嘉永五年(1847-1852)
大判、版元 大和屋久兵衛
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≪みかけはこわいがとんだいいひとだ≫
弘化四年-嘉永五年(1847-1852)
大判、版元 藤岡屋彦太郎 |
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≪としよりのよふな若い人だ≫
弘化四年-嘉永五年(1847-1852)
大判、版元 藤岡屋彦太郎 |
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ちょっとした解説、と雑談
ふんどしが眉毛になってたり、イレズミがひげになってたりと、国芳の遊び心・・・と、苦労があちこちに見られます。それにしてもみごと。
例えば鼻の表現にしても、それぞれ小さい人の「頭」「ひざ」「おしり」「かかと」で表現されていて、同じ方法が二度と使われていない、というのがびっくりです。
物を集めて何かを形作る、という手法は、西洋ではイタリアのアルチンボルド(Giuseppe
Arcimboldo,1527-93)※が有名です。
「国芳がアルチンボルドの影響を受けた」とか「いやいや全く関係ないよ」とか、いろんな意見があるようですが、ホントのところはよく分かっていません。
ちなみに、ライデン国立民俗学博物館には、輪郭だけが印刷されたものですが、さらに別の寄せ絵「正じきな人」が所蔵されています。
また、≪みかけはこわいがとんだいいひとだ≫の「主版」(輪郭が彫られた版)は現存しており、2007年1月-3月に岐阜で展示されました。(もちろん見てきましたよ!)
版木はイタリアのジェノヴァ近郊のカモーリで発見され、1980年に日本に戻ってきたということです。版画が制作された当時は版木を残す習慣はなく、現存している例はとても珍しいそうです。
こちらでは、CGになった≪みかけはこわいがとんだいいひとだ≫を見ることが出来ますよ♪動きます! |
※ジュゼッペ・アルチンボルド
≪四季 春≫ 1573年
油彩・カンヴァス
76×64cm
ルーブル美術館蔵 |
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おまけ
こちらは、人ではなくて干支が集まって顔を作ってます。さてさて全部見つけられますか〜?
国芳は他にも、猫が集まって文字になっている作品なども作っています。
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主な収蔵先
≪人をばかにした人だ≫
スプリングフィールド美術館(アメリカ)、ジェノヴァ東洋美術館(イタリア)、徳川美術館、日本浮世絵博物館、町田市立博物館[田河水泡コレクション]、個人蔵
≪としよりのよふな若い人だ≫
スプリングフィールド美術館(アメリカ)、ジェノヴァ東洋美術館(イタリア)、日本浮世絵博物館、名古屋市博物館[高木繁コレクション]、個人蔵
≪みかけはこわいがとんだいいひとだ≫
スプリングフィールド美術館(アメリカ)、ジェノヴァ東洋美術館(イタリア)、徳川美術館、浜田市世界こども美術館、個人蔵
≪人かたまって人になる≫
スプリングフィールド美術館(アメリカ)、ジェノヴァ東洋美術館(イタリア)、個人蔵
≪年が寄っても若い人だ≫
日本浮世絵博物館
参考文献
鈴木重三『国芳』、平凡社、1992
楢崎宗重 編『秘蔵 浮世絵大観11 ジェノヴァ東洋美術館U』、講談社、1988
『歌川国芳展:生誕200年記念』日本経済新聞社 1996
『芸術新潮 5月号 幕末のはみ出し浮世絵師 歌川国芳』、新潮社、1992
『名古屋市博物館資料図版目録2 高木繁コレクション』、名古屋市博物館、2001 |
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